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続 鉄道風景の回想

鹿児島中央駅に思う

鹿児島中央駅に思う

 九州新幹線のスタートと共に「西鹿児島」の駅名が消え、改名「鹿児島中央駅」が誕生した。

 新幹線開業の前日と、開業当日新しい雰囲気の駅周辺と構内を歩き新旧駅名の入場券を記念に購入。

 巨大ビルや地下道の出現は、大都市の空間や風景を感じさせる。新しい地下広場に市民ギャラリーの誕生は嬉しい。この展示スペースは、教育委員会生涯学習課の管理らしいが、生涯学習関係のみの作品展示でなく、バラエティーに富んだ、注目度の高い企画展示を望みたい。

 新装なる駅構内を歩いていたら、高校時代に暗記した「方丈記」冒頭の一節を思い出した。
『行く河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて久しくとどまりたる定めなし……』

 九州新幹線は、順調なスタートである。

 しかし肝心なのは、新幹線がもたらすプラス効果である。駅周辺のみならず、在来線、「肥薩オレンジ鉄道」の活性化や発展も期待したい。

 駅の地下道を初めて利用する人にとっては、郵便局や一番街、トイレ等の案内も欲しい。また、バスの路線は市電に比較すると複雑なので案内表示が必要。〈2004・3・27寄稿〉