昭和30年代、高度成長時代、集団就職列車の少年たちを歌った「ああ上野駅」(唄 井沢八郎)を思い出しながら、得期周辺や駅舎内を散策した。
♪どこかで故郷の香りを乗せて
入る列車のなつかしさ
上野はおいらの心の駅だ
くじけちゃならない人生だ
あの日ここから始まった
東北・北海道方面からの終着駅である上野駅は、多くのドラマや歌があり、この歌詞を知っている私たちの年代には、ジーンとさせる共感がある。
心の駅、故郷を回想する駅、人生の応援歌が聴える駅を思いながらスケッチしていたら、60歳前後の見知らぬ男性が、同じ方向にカメラを向けていた。
集団就職でやってきた少年・少女たちの現在は、孫を持ち、定年後の生活に入っているが「ああ上野駅」の歌は、一生涯、この世代の人々の脳裏から 消えない心の歌であり原風景の歌だ。
この駅舎は、関東大震災後の1937年に建てられた古駅舎で、多くの史実が刻み込まれている東京の名所でもある。
2008(平成20)年8月18日第426号