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島原駅とトロッコ列車

島原駅とトロッコ列車

 島原半島は、キリシタン大名や雲仙普賢岳火山災害の歴史など、異色の史実が豊富である。城下町の玄関口として平成元年に完成した大手門風、城郭 形の駅舎は、特色ある風格がある。

 この様な城郭駅舎は、人吉駅(肥薩線)飫肥駅(日南線)があるが、内部構造の随所に城郭建築の素材や金具が使用され古風な装飾効果が強調されている。

 また正面玄関中央に中村晋也氏(彫刻家・文化勲章受章者・鹿大名誉教授)作の島原の子守歌があり、美しい島原城も目前に見える風景との遭遇が嬉 しかった。

 観光トロッコ列車(島原駅-深江駅)が毎年特別運行されてきたが、10周年の今年1月末でサヨナラ列車と聞いた。

 トロッコ列車に乗車し、1990~96年の雲仙普賢岳大災害の跡を見たり、ガイドの説明を聞いたりしていたら、約25分で深江駅に着いた。

 車窓から眺める爽快な風景。山も海も美しい風景。感動満載のトロッコ列車の存続も私鉄ローカル線経営上の都合で廃止になる噂は残念である。乗車 して気付いたことだがトロッコ列車に連結された前後のディーゼル客車2両の乗車は極少数で、過疎化私鉄の厳しい乗客数の現実を見た。