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母校への寄贈作品

 私は、1987年から3年間、川薩地区に勤務し、当時の川内市や薩摩郡の小中学校で思いがけない作品に接する機会を得た。

 松永南楽氏の鳥瞰図の存在に啓発されたのもこの時以来であるが、南楽以外の著名作家の作品が多いことにも驚いた。

●川内小には平山郁夫のリトグラフ「シルクロード」シリーズ10点と、文化勲章彫刻家、富永直樹作「上野十蔵像」が篤志家により寄贈されていた。
●平佐西小は、有島三兄弟の出身地で、関係の書や有島生馬の洋画があった。その作品は現在、歴史資料館にある。
●宮之城の盈進小学校は、藤島武二、桜木七二、花目柾實氏の作品が校長室にあった。
 藤島武二画伯作の大きな肖像作品は美術館に展示したい逸品である。
●山崎校区は、文化勲章の工芸作家、帖佐美行氏の出身地である。山崎中の校長室に帖佐美行氏の彫金立体作品があった。
 作家の出身母校に作品が寄贈されている例は少なくない。作家の存在意義も大きく見えて作品が輝いていた。
●入来小の松井黎光(日本画) ●朝陽小の石原紫山(日本画) ●東郷小の北園誠一(洋画) ●中津小の和田忠志(洋画) ●入来中の春田心斎 (洋画) ●城上小の長野英(洋画) ●海星中の町春草(書家) ●鶴田中の田島篤郎(洋画) 山崎中の濱田健(洋画) ●平川小の北原稔(洋 画) ●川内南中の東進市(洋画)などが私の記憶にある。

2007(平成19)年8月13日第372号